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環境国際総合機構 政策提言

中小企業の「新成長戦略」実現化政策
― 4分野「環境、健康、アジア、観光」での中小企業成長戦略 ―

環境政策研究所所長 田邉敏憲

1. 経済成長政策を考える前提

  • 中小企業による環境(3R)と経済成長(福祉)が両立する政策を狙う!
  • 環境とは、資源(有機物、石油化合物、無機物)の3R(Reduce、Reuse、Recycle)による、「廃棄物レス・有価物化」である。
    特に未利用(廃棄物)資源の高付加価値商品(有価物)化が決定的に重要!
  • 経済成長のエンジン役は「純輸出」(「輸出」-「輸入」)の増加!⇒「輸入」の国産化!⇒ 何が国産化できるか?⇒ 輸入額の大きい材?:化石燃料、農水産物、非鉄金属、木材!
    地域経済の場合、「純移出」(「移出」-「移入」)の増加!⇒「地消地産」の推進!⇒どの地域でも最大の需要(化石燃料)の地産化とは?⇒地域エネルギー自給政策!
  • 5つのイノベーションでは、特にシステムイノベーション(その場が”シリコンバレー”や”フードバレー”<蘭>)が重要!⇒「○○バレー」構想が重要!
  • 政策の仕組みは、[ビジョン][プログラム][プロジェクト]の三位一体の要。
  • 時間軸が重要で、「フォアキャスティング」だけでなく、「バックキャスティング」が重要。⇒10年、20年、30年後の”あるべき姿”を想定し、足元からのプログラムを描く!
  • 誰に向けて発信する政策? ⇒政府(中央省庁、地方自治体)、金融機関、プレーヤー、投資家?

2. 経済政策手段とは?

  1. 財源政策(公共投資・補助金<どの省庁をターゲット?>、政策金融、民間金融機関&日銀新制度)
    ○ 極力民間資金(金融機関貸付け、ファンド)が付く政策が重要!
  2. 規制緩和・ルール政策(プレーヤー認可権限者の複線化<市町村、都道府県、環境省etc.>)
  3. 適切なプレーヤー認定政策(真のシステムイノベーション力等保有者の選定<客観的な選定機関>)
  4. 各種情報インフラの整備政策(バイオマス賦存量DB<マッピング>、薬効植物DB、各地区熱源用燃料消費量DB)

3. どんな国内未利用資源?どんなブレークスル―技術?中小企業が絡めないか?

  1. バイオマス ○ 未利用資源:青ミカン、バラ・ラベンダー等花卉、廃棄フルーツ、学校給食残渣、スーパー・外食産業等の生鮮残渣、汚染米、魚残渣、サトウキビ、国産コーリャン・キャッサバetc.
    ○ 食料・木材の自給率はどこまで引き上げられるか?
    ○ 有価物で価格が高い順番?⇒5つのF

    1)FOOD(食料、サプリメント) \200~1000/㎏
    2)Fiber(繊維) \100~500/kg
    3)Feed(飼料) \50/kg
    4)Fertilizer(肥料) \20/kg
    5)Fuel(燃料) \10/kg

    ○ 常温・真空低温セパレーター機器で高付加価値商品化(Food,Feed,Fiber<高価> ⇔ Fertilizer,Fuel<低価>)が可能!
    ○ 食品等の高機能性評価には、宮田会長のネットワークが有効?

  2. 自然エネルギー(太陽光、風力、地熱、潮流)
    ○ 大企業製造機器の分野、かつ地域の雇用を産みにくい!
    ○ 中小企業が開発した高効率機器はないか?
    ex.埼玉県の中小企業が高効率風力発電機開発との情報 - 「Ecolink21」のネットワークでアテストできないか?
  3. 非鉄金属、レアメタル
    ○ 「都市鉱山」資源を中小企業ネットワークで回収ビジネスが構築できないか(大木さん)?
    ○ 大手メーカーの精錬抽出プラントとのリンケージモデルができないか!
  4. ボタ山
    ○ ドイツ・ウルフ社「サーマルリサイクルプラント」による旧産炭地(夕張など)の「新エネ・バレー」or「カーボンエネ・バレー」化政策が可能ではないか?(ボタ山+周辺の廃タイヤ・廃材利用で、エネルギーシステムイノベーションを実現)
    ○ 地下資源廃坑地域の新しい産業創出政策!
  5. 海洋資源
    ○ 海洋基本法を活かした「海洋新産業の創出政策」
    ○ 豊かな近海の小魚&養殖魚残渣から魚粉・魚油製造⇒「魚粉100%国産化」構想

4. なぜこれまで実現(普及)できなかったのか?何を政策すれば実現するのか?

  1. 技術の不在、マーケット(市場)の不在
    ○ 例えば「真空低温セパレーター」、製紙機械の「常温セパレーター」を食品加工に利用、ドイツ・ウルフ社「サーマルリサイクルプラント」etc.
    ○ 「何を、どうしたいのか(ex.未利用・廃棄物資源の高付加価値・有価物化)?」との発想で、従来技術の適用、再評価を含めて、新技術発掘!
  2. 高付加価値商品化できなかった
    ○ Fertilizer,Fuel(低価)から高付加価値商品Food,Feed,Fiber(高価)製造へ
    ○ それを可能とする技術の登場!
  3. 採算のとれるシステム(仕組み)にできなかった
    ○ 単発技術の導入ではなく、システムイノベーション(「仕組み」の場づくり)を!
    ○ 「シリコン・バレー」(米)「フード・バレー」(蘭)にならい、「○○バレー」でシステムイノベーション狙いを明確にするネーミングがよい?
  4. 民間資金(貸出・ファンド)が付かなかった!補助金が付かなかった!
    ○ ファンドが組める「ビジョン」「プロジェクト」のリファイン化(久原さん)!
    ○ 極力補助金を利用しない「ビジョン」「プロジェクト」への組み立てを!
  5. プレーヤーとして参入できなかった!地方自治体での業者認可が得られなかった!
    ○ ある程度広い地域でのシステムとしないと採算が確保できない分野を明確にすることが重要!
    ○ 中央省庁の認可業者行政の政策提案も有効か?「道州制」提案とも絡め得る!
  6. 適切なプレーヤーかどうかの客観的判断できる機関の創設ができないか?
    ○ 補助金申請手続き(代行)にたけているだけのプレーヤーのあまりにも多い存在!
    ○ 適切かつ実現力の高いプレーヤー選別機能を持った組織(官庁から委託されるほどの高い人材に対する目利き力を備えた民間機関<NPO,NGO法人を含む>)の創設ができないか?
  7. 従来の規制・ルール・基準では新しいことが不可能だった!
    ○ 真に必要な、かつ変更により効果の大きい「規制見直し政策」の明確化!
    ○ 「Ecolink21」の政策提言で注力すべき分野!

5. 具体的な、人々の心に響く?「ビジョン」「プロジェクト」案

  1. 「農工商連携による農水産業生産性3倍化」構想
    1)「小中学校給食残渣70%高品質飼料化」全国プロジェクト
    - 給食残渣の高付加価値製品(飼料)化による「環境食育」「給食コスト削減」
    - 文科省・環境省・内閣府・消費者庁・経産省等の横断的な政策として構成か?
    - 産廃処理ではなく、新製品製造の事業者(住民、子供たちにも可視化)としての認可制度ができないか?
    - 「真空セパレーター」導入時の補助金適用(農工商連携・食育予算など)も可能か?
    2)「食品残渣70%高品質飼料化」プロジェクト
    - スーパーやレストラン、外食産業等からの食品残渣の70%高品質飼料化
    - 「真空セパレーター」など上記要件を満たすシステムの食品リサイクル法の補助金政策利用、消極的な地方自治体の事業者認可スタンスに対し製造業事業者としての経産省・環境省認可制度を創出できないか?
    3)「2020年魚粉100%自給化」プロジェクト
    - 「海洋新産業創出計画」の一環として、水産養殖場残渣や小魚残渣活用による輸入魚粉(年間40~50万トン<400~500億円>)の100%国産化政策。輸出産業も可能。
    - 「真空セパレーター&脱脂システム」への補助金(水産振興等)適用も可能!
  2. 「成長の早い未利用植物総合産業化」構想
    1)「サトウキビ・バレー」プロジェクト
    - 沖縄粟国島で展開中の工業システムによるサトウキビ総合産業化(アンチエイジング高機能食品、紙・衣料用繊維、<反収10倍化>)を沖縄・鹿児島県のサトウキビ産地に普及!⇒「トウキビバレー・ファンド」成立の可能性大!
    - サトウキビ関税305%で守られているサトウキビ産業を高付加価値製造産業化することで、FTAなどを通じ、日本のより高度な産業構造化に資する!
    - 3億円の内閣府(沖縄の事情)補助金による工業システムで、新商品開発まで実現!
    -「トウキビバレー・ファンド」の配当(あるいは安価での販売)として、アンチエイジング高機能食品も面白い!
    2)「コーリャン・バレー」プロジェクト
    - 水・土などの劣悪な栽培環境でも4か月で育つコーリャンは、実が穀物・飼料になるだけでなく、鳥獣被害の影響がない茎から建材のほかアンチ糖尿病食品製造(輸出も可能)が可能なことが判明。日本全国に拡がる耕作放棄地対策とする同時に、高機能性食品製造を含めた統合産業化(システムズイノベーション)の場として推進!⇒「コーリャンバレー・ファンド」成立の可能性大!
    - 個別農家所得補償制度に代えて、日本農業の生産性向上に資する政策となる!(農水省向け政策提案)
    - 火山噴火から復興産業を模索している三宅島で「コーリャン・バレー」をまず立ち上げることで、コーリャン総合産業の早期全国普及が可能か?(石原都知事の「東京マラソン」と並ぶ実績となる?)
    - 「コーリャンバレー・ファンド」の配当(あるいは安値販売)として、アンチ糖尿病食品も面白い!
  3. 無農薬・無化学肥料稲作の「冬季湛水・不耕起移植稲作バレー」全国展開構想
    ○ 岩澤信夫著「究極の田んぼ」の稲作システムで、市民農園として広がりつつあるが、全国の中小企業が栽培者として推進することで、完全な無農薬・有機米利用の総合産業化(無農薬米ぬかからの搾油などで新商品開発も)が可能!
    - ミミズやドジョウなど生物多様性も回復し、渡り鳥などのサンクチュアリとなる、日本各地に観光資源が誕生!
  4. 「2030年地域エネルギー50%自給率」戦略
    1)「地域自立エネルギークラスター特区」構想

    - 地域最大需要の地産化による、地域「移入」の削減による、地域成長政策。
    - 人口3万人・1万世帯の地域光熱費は家庭用で約20億円、業務用、産業用を合わせて約60~100億円規模。このうち、ボイラーなど熱利用の石油製品需要は年間100L/人とされており、サブ・ボイラーシステ導入による地域内生産のチップ、ペレット利用で、地域経済成長につながる。
    - 「バイオマス・タウン」予算などでチップ・ボイラーシステムの導入が始まっているが、チップ工場の建設を優先した補助金政策、あるいはバイオマス資源の賦損量のDB不足から、やや空回りの感。既得権層の補助金獲得に陥らぬ、適切な推進プレーヤーの選定が重要。
    - 「夕張ボ山エネルギー・バレー」構想も本特区と構成するのも面白い!
    2)「2020年川崎市CO2削減25%イニシアティブ」
    ― ASEAN等アジア諸国の植物油搾油ミール燃料等との組み合わせによる新環境産業創出

6. 従来の産廃処理の発想から抜けて、高付加価値商品製造となる分野は?

  1. オイルタンク内スラッジ、ドライクリーニング廃液、各種研究所廃液
    ○ 「真空セパレーター」で、「中水」「オイル(燃料)」「アスファルト用資材」等に分別可能!
  2. ウイルス感染畜産物
    ○ ケマドーラ炉による焼却(助燃エネルギー利用)でのCO2排出量は削減可能!
    ○ さらには燃料として使えないか?
  3. PCB、アスベスト
    ○ PCB ⇒燃料のみ?
    ○ アスベスト ⇒新素材?