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出力の安定しない再生エネルギー電源を活用するために

4.出力予測にどれだけ気象予測が活用できるか

太陽光や風力発電があてにできないお荷物にならないためには、出力予測の精度向上が必須のように筆者には思えるが、当然のことながら、斯界の研究者はすでに着目しているところであり、多くの地道な研究が積み重ねられてきている。
例えば、風力発電の代表的な研究者である石原孟東大教授は、単一の風力発電所について10分毎の出力予測に取り組まれてきているし3)、多くの研究者が共同して「風力発電出力予測ガイドブック」4)もまとめられている。また、中部電力では中部電力管内の太陽光発電所を複合させたならし効果を活用した出力予測の研究により、良好な結果を得ている。5)
これまでの研究の多くは発電事業者の視点(いかに多く発電できるかという視点)によるものが多いようであるが、質の高い日本の電気を維持するためには、電力系統運用者の視点による予測が重要であり、中部電力のような電力系統保有者の研究は重要度が高いといえよう。
いろいろな手法による研究がなされているようだが、太陽光発電についての基本は日照、すなわち雲の動きの予測であり、風力発電については風の強さの予測にあることは明確である。近年は気象情報提供機関により、短期間内の気象予測サービスが提供されており、洪水時の出水予測等に活用されているようである。一方、多くの太陽光や風力発電所が建設された現在にあっては、それらが系統安定に及ぼす影響についても多くの情報が蓄積されつつあると思われる。関係の知見が糾合されることにより、電気の質を保ちつつ、再生エネルギーの活用が促進されることを期待したい。

参考文献

1) 経済産業省ホームページ,固定価格買取制度 情報公開用ウエブサイト
2) 経済産業省ホームページ,地域間連系線等の強化に関するマスタープラン 中間報告書 参考資料集,pp.78-81.
3) 石原孟:風力発電予測技術の現状と課題,風力エネルギー,Vol.29, No.3, pp.19-25, 2005.
4) 東京大学,伊藤忠テクノソリューションズ,電力中央研究所,日本気象協会,イー・アンド・イー ソリューションズ:風力発電電力系統安定化等技術開発 -気象予測システム- 気象予測に基づく風力発電量予測システムの開発 風力発電出力予測ガイドブック,2008.3.
5) 中部電力:太陽光発電予測システムの開発と実用化,技術開発ニュース,No.153, pp.19-20, 2015.8.