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出力の安定しない再生エネルギー電源を活用するために

3.太陽光や風力発電があてになるためには

3.1 太陽光および風力発電所出力と需要との関係

図-1および図-2は、太陽光発電および風力発電の出力とその出力を発生したときの需要との関係を示している2)
図-1より太陽光発電出力と需要には一定の関係があり、需要が最大になった時点では、太陽光発電出力の20%程度はあてにできることが示されている。夏季の晴天の時にはエアコン等による需要が増加するが、晴天であるため太陽光発電も高出力になりやすいということであろう。
一方、図-2に示される風力は最大需要時でもほとんど出力が期待できない例が多いこと、すなわち、風力は太陽光よりもさらにあてにならないことが示されている。

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図-1 太陽光発電出力と需要の関係

 

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図-2 風力発電出力と需要の関係

ひとつひとつの発電所出力との関係はなるほどこういうことなのだが、なんとかならないのだろうか。
これに対する方策として、電池を併設してエネルギーを蓄え、送電線に投入する電気エネルギーの量をコントロールしてやろうということが一部で行われてきたが、電池はコストがかかるもの、ただでさえ原価の高い太陽光や風力発電に必須の設備とするのはあまりに知恵がなさすぎる。最後の砦として大切な存在ではあるので研究の意義はあるが。

3.2 複数の発電所の合計出力に見られる「ならし効果」

表-1に示したように、多くの太陽光や風力発電所が建設されている。ということは、ある地域内に複数(地域によっては多数という表現も使えるだろう)の太陽光や風力発電所が稼働している状態にあるということである。
ひとつひとつは大きく変動しても、あるエリア内の複数の発電所出力を合計した値の変動は緩やかになることが明らかになっている。これは「ならし効果」と呼ばれている。
「ならし効果」が期待できるならば、その地域内の太陽光や風力発電の出力変動予測がやりやすくなる。15分前であっても大きい出力変動が予想できるならば、LNG火力や石油火力、また、大規模水力発電所に対し、変動予想値に見合った出力の変化を予め指示することが可能となるからである。また、周波数変動を検知しての後追い調整ではないため、調整の確実度が上がり、電力系統の安定度は向上することになる。予測しきれない出力変動は存在するだろうが、あるレベル以下であれば、2.2に述べた「常に出力変動して周波数を調整している水力発電所」に頼ればよい。