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ポンガミア-BDF原料として有望な非可食性油脂植物

6. BDFに向けての実用化実態

BDFの排出ガスに対する環境影響調査が、米国EPA主導で、大豆油(Soybeans、232件)、菜種油(Rapeseeds、41件)、動物油脂(Tallow、23件)、キャノーラ(Canola、3件)などにつき大規模に実施され、2002年に報告書が提出された。

A Comprehensive Analysis of Biodiesel Impacts on Exhaust Emissions, EPA420-P-02-001, Office of Transportation and Air Quality, US EPA

油脂種によらず、BDFの採用で、図表6.1に示す様にPM、HC、COが大幅に低下する一方で、NOxはやや増加する。

図表6.1 BDF導入のディーゼルエンジン排気ガスへの影響(全BDF平均)

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ポンガミアBDFを用いたエンジンテスト性能試験結果が報告されている。テスト条件を図表6.2に、また試験したBDF各濃度組成、物性を図表6.3に整理した。B10~B100の広い混合範囲で比較しているが、B20程度までは発熱量、動粘度、密度の変化は軽油比で10%以内にとどまり、図表6.4に示したように、排気ガス特性、エンジン特性(BSFC)も同等で良好であった。

図表6.2 ポンガミアBDFのエンジンテスト条件

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出典:Gaurav Dwivedi et al, International J of Energy Science, Vol 3, No 4, p292(2013)

図表6.3 ポンガミアBDFの物性

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出典:Gaurav Dwivedi et al, International J of Energy Science, Vol 3, No 4, p292(2013)

図表6.4 ポンガミアBDFのエンジンテスト結果

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出典:Gaurav Dwivedi et al, International J of Energy Science, Vol 3, No 4, p292(2013)

以上の結果から、B20程度までは、BTE(Break Thermal Efficiency)、エンジン効率(燃費)を大きく変化させることなく、BDFを使用できることが推定される。

7. 農業生産性、産業化

ポンガミアの反収はパームに近いことから生産性が高く、ASEAN各国での産業化の可能性が大きい。

なお、豪州クイーンズランド大学では、将来の地球温暖化を踏まえ、「CLIMEX」というシミュレーションソフトを用いてポンガミアの栽培適性地のその変化を予測している。この結果によると、東南アジアはこの栽培適地であり続けると予想されている。南米アマゾン、アフリカの赤道~北緯10°のナイジェリアなど大西洋側地域なども栽培適地である。いずれも競合する他の営利作物との関連で、ポンガミア栽培が進む可能性がある。1975年、2080年で、潅漑条件での栽培好適地域の報告例(CSIRO)を図表7.1、図表7.2に示した。1975年時点でASEANの中ではカンボジア、タイ、マレーシアが特に好適とされている。

図表7.1  地球上の1975年時点の潅漑条件でのポンガミア生育好適地域

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出典:CSIRO:Kriticos DJ, et al., GCB Bioenergy (2013), doi: 10.1111/gcbb.12068

図表7.2  地球上の2080時点の潅漑条件でのポンガミア生育好適地域

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出典:CSIRO : ibid.