1. TOP
  2. 環境・資源科学研究所
  3. ポンガミア-BDF原料として有望な非可食性油脂植物

ポンガミア-BDF原料として有望な非可食性油脂植物

1. BDFの東南アジア地域における生産動向

zu20151111_01.jpg
日本エネルギー経済研究所(世界/アジアエネルギーアウトルック2012年)の調査によると、自動車燃料向けのBDF生産は、上記の様にインドネシアの伸びが著しい。

2. BDF燃料としての原料用植物油の比較とポンガミアの位置付け

非可食性植物油として、以下の様にインド、オーストラリアで研究が進みプランテーションの建設、植栽が始まっているマメ科植物のポンガミアを他の作物と比較する。ポンガミアは、商業生産はインドでやや先行、2015年頃にはオーストラリアでも開始される見込みである。オーストラリアに自生するこの植物に関する研究は、近年クイーンズランド大学、CSIRO (Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization, Canberra, National Government body for scientific research in Australia, since 1926)が中心となって、品種分類、ゲノム情報解析、根粒特性の研究、品種改良、油脂産生特性、栽培法、収穫法などの基礎研究、農業生産技術の研究を進めてきた。ただ、歴史的にはインドが古い。

ポンガミア関連の有力研究機関

table20151111_01.jpg

代表的な各種油脂植物とポンガミアの油脂生産能力を比較して、図表2.1に示す。ポンガミアの生産能力はオイルパームに比肩できるレベルにあり、脂肪酸組成も長鎖飽和酸が少なく、BDF用に極めて有望である。ジャトロファの油脂生産量は、現状ではオイルパーム、ポンガミアの50%以下であり、なお改良が必要な段階である。また、藻類は高いオイル反収が期待されているが、実用化可能性の判断はなお時期尚早と考えられる。

図表 2.1 各種油脂植物と油脂特性

table20151111_02.jpg

出典: Filemon A Uriarte Jr, Biofuels From Plant Oils, Chapter 2, Asean Foundation, 2010;
Report from The University of Queensland, ARC Center of Excellence

3. ポンガミアの栽培、収穫、プランテーション

図表3.1にポンガミアの世界の自生地域を示す。インド、東南アジア、オーストラリア北部が中心となるが、気候の類推から、中南米、アフリカも有力な栽培可能な地域と考えられる。食糧・可食性植物の栽培に不適な土地、遊休地、牧草地などは候補地となる。

図表3.2にポンガミアの一般的特性を示す。マメ科の熱帯性多年生植物で、空中窒素を固定化する根粒(Nodule)をもった根を地中深く伸ばすことから、耐旱魃性があり、低肥料負荷で燃料油を生産できると期待されている。耐旱魃性とは乾季にも灌漑が不要であることを意味し、一方、油脂反収は年間降水量に比例するとされている。

図表3.3にポンガミアの植物としての特性を、図表3.4にはプランテーション栽培及び検討実績を整理する。

図表3.1 ポンガミアの世界の自生地域

zu20151111_02.jpg

図表3.2 ポンガミアの一般的特性

table20151111_03.jpg

出典:1)ARC Center of Excellence for Integrative Legume Research, The University of Queensland, Australia、2)Agroforestry Database 4.0 (Orwa et al, 2009)

図表3.3 ポンガミアの植物としての特性

table20151111_04.jpg

出典:1)ARC Center of Excellence for Integrative Legume Research, The University of Queensland, Australia、2)Agroforestry Database 4.0 (Orwa et al, 2009)

以下の写真で、右側は優秀株と非優秀株の比較であるが、生成物の差は歴然である。

zu20151111_03.jpg

図表3.4 ポンガミアの2013年時点のプランテーション栽培および検討実績

table20151111_05.jpg

出典:GBIF(Global Biodiversity Information Facility) Data Portal、CSIRO: Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization, Canberra (National Government body for scientific research in Australia, since 1926)

ポンガミアと他の油脂植物との油脂生産性(反収)、概略油脂組成、燃料特性等を比較して図表3.5に示す。ポンガミアの油脂生産性は高く、パームと比肩できるレベルにあることがわかる。また、ポンガミア油はオレイン酸含有率が60%以上と、ナタネ油(Canola)と同程度に高く、曇点、動粘度が低いなど燃料物性面で優れている。燃料特性比較を図表3.6、油脂成分含有率を図表3.7に示す。種子中の油脂含有量は最大40%で、セイヨウアブラナ(Rapeseed)と同程度の高さ、パームの2倍レベルである。

図表3.5 主要油脂植物と油脂生産性の比較

table20151111_06.jpg

出典:B Biswas, P M Gresshoff et al, The Plant Genome, 6(3) p1(2013)

図表3.6 主要油脂植物の燃料特性比較

table20151111_07.jpg

出典: Filemon A Uriarte Jr, Biofuels From Plant Oils, Chapter 2, Asean Foundation, 2010、DF No 2 Diesel fuel No 2 spec

図表3.7 主要油脂植物の油脂成分含有率の比較

table20151111_08.jpg

出典: Filemon A Uriarte Jr, Biofuels From Plant Oils, Chapter 2, Asean Foundation, 2010