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ポンガミア-BDF原料として有望な非可食性油脂植物

平成27年度活動報告 第2回「ポンガミア-BDF原料として有望な非可食性油脂植物」

環境・資源科学研究所  佐村秀夫

はじめに

液体バイオ燃料の開発と其の利活用は、最近の低炭素社会からの要請でますます活発化している。主たる対象物はバイオエタノールとBDFであり、欧米諸国に遅れながらアジアでも導入が進行しつつある。

この小文では、日本では現時点では殆ど知られていないが、将来的に有望なBDF用の非可食性油脂植物の昨今の動向や大きな可能性を紹介したい。

BDF原料としては、従来はパーム、大豆、菜種、ココナッツ等の可食性油脂植物が用いられてきた。しかし、これらは、世界における人口爆発中での食料問題、無理な開発による環境問題、地域間の政策に基づく政治問題などを引き起こしており、それに対するものとして非可食性油脂植物の「ジャトロファ・クルカス」通称「ジャトロファ」が注目されて来た。国連の貧困農村対策として、推奨されたことなどもあり、10年前には世界中でブームになり、中国、インド、インドネシア、ミャンマーでは大規模植林が計画され、2017年にはオイルの生産量は上記の順に1900万トン、1650万トン、675万トン、425万トンとの予想もされていた。

しかし、栽培基本情報が殆ど無い中で立ち上がったこの作物はその大規模な商業栽培の成果が乏しく、昨今は多くの農園が経営に苦しむかで圃場が放棄されつつある。また、元の食料との競合に戻るかの様な動きもある中で、様々な地域特性を活かしながら各種の非可食性油脂植物が検討されている。

中でも、インドを原産地とした「ポンガミア・ピナータ、Pongamia pinnata」略称「ポンガミア」はオーストラリアのクイーンズランド州が産官学連携で其の普及を推進しており、今後の動向が注目される。

アジアの発展途上国での経済発展に伴い、自動車用ディーゼル燃料需要の高まりは著しいものが予測されているが、地球温暖化問題から再生可能エネルギー導入推進の為のFIT制度の運用に伴いBDFバイオマス発電用に新たな注目が集まる中でBDFの大きな需要が期待される。そこで、この植物の実情、可能性や今後の展望を述べよう。