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東日本被災地の雇用と産業創出策

東日本被災地の雇用と産業創出策

NPO法人 環境国際総合機構 環境政策研究所所長 田邉敏憲

ポイント

  • 東日本被災地では雇用づくりの具体策が喫緊の課題。
  • そのためには、雇用の場、すなわちどのような産業(仕事の場)を作るかがカギ!
  • 最も成功しやすい産業興こしとは、他所から買っている財・サービス需要の自賄い化!
    -事業でも、自分の家族、自社、地元地域、自国で消費している需要を他所から買わず、自給するのが一番成功する!⇒「地産地消」ではなく「地消地産」との発想で!
  • どの地域でも大きな需要がある財は、光熱エネルギー!
    -例えば、3万人・1万世帯地域の年間光熱費は、最低40億円(家庭用20億円、業務用<ホテル・病院・役所など>20億円、産業用?)!
  • “復旧・復興予算執行切れ後”の中央・地方政府の財源難を踏まえた、地方公共団体の新たな民間資金調達手段開発が不可欠!
    -地方公共団体関連の事業で、どのような事業が高採算化できるのか?

なぜ再生可能エネルギー産業か?

  • 「フクシマ」以降の発電は火力依存度の急上昇、かつ電気料金の上昇必至の情勢!
    -価格上昇する財・サービスを狙うのが、事業起こし、産業づくりのポイント!
  • 大きな国策たる「再生可能エネルギー促進法(7月施行)」を踏まえ、どのような新エネ創出で地域間競争を勝ちとるのか?
    -「再生可能エネルギー」5種(太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス)のうち、”横もち”仕事が発生し、雇用づくりにつながるのはバイオマス!-バイオマス発電には2種類のタイプ。
    (1)間伐材チップなど「木質系バイオマス(水蒸気、ガス化)発電」
    (2)下水汚泥、生ゴミ、畜産し尿、水産・食品残渣など「含水有機物ガス化発電」-各地方公共団体ともに主力事業たる”下水汚泥・生ゴミ処理事業”の高効率ガス発電化は、高収益事業化(発電収益&汚泥廃棄物埋立て処理費削減収益)を実現!

    -これは、含水有機物のナノ化による、カロリーの90%メタンガス化(高発電効率<従来は50%程度>)の一方、埋立て処理費が嵩むスラッジ(汚泥最終廃棄物)の1/50化を実現する高効率ガス化技術によって可能に!

地公体関連事業の高採算化により「レベニュー債」での民間資金調達が可能に

  • 「レベニュー債」とは、アメリカの地方公共団体では一般的な、元利返済を、税金や交付金によらずその事業収益から行う地方債の一種。
  • 昨年6月、茨城県の外郭団体において、日本で初めての「レベニュー債」を発行。
    -廃棄物適正処理施設の(財)茨城県環境保全事業団「エコフロンティアかさま」では、将来の事業収入を返済原資とした「レベニュー債」により、金利2.51%(固定)、償還期間24年以内という条件で、100億円を調達。⇒図表参照。
  • 「レベニュー債」発行のポイントは、地方公共団体事業の中で、将来の事業収入で元利返済が確実な事業を切り出せるかどうか!
  • この点、地方公共団体の”下水汚泥・生ゴミ処理事業”の高効率ガス発電事業は、高収益事業ゆえに「レベニュー債」による民間資金調達でのシステム構築が可能!
    -75万人都市での「含水有機物ガス発電事業システム」の収支改善試算(図表参照)
  • 「レベニュー債」は、金融商品取引法上の有価証券として、地方金融機関が運用でき、また市民が優先的に購入できる、高利回りの「レベニュー市民債」としても構成可能。

「地公体関連含水有機物ガス発電事業」を中核に据えた新たな産業づくりへの展開

  • 高採算の「地公体関連含水有機物ガス発電事業」を各地域の新たな産業づくりの中核に据え、かつ「レベニュー債」による資金調達増額で実現!
    ―不安定ながら下水汚泥量などの資源制約のない「太陽光・風力発電産業クラスター」、あるいは「農林水産業の総合産業クラスター」、新たな2次・3次産業創出などへと展開することで、さらに新たな雇用が生まれる。

レベニュー信託債活用による地方公共団体関連
「再生可能エネルギー」事業システム